声のかかる、女
前にも書いたことがあると思いますが、今あたしの働いている派遣先は、
かなーり『派遣蔑視』な感性をもっている社員の多い企業。
全員ちゃんと名札までつけさせられているというのに、
「派遣さん!」
と呼ばれるのはいつものこと。何のための名札じゃい!!と、
こう呼ばれても返事をせずに聞こえないふりをすることにしているので
あたしはちゃんと苗字で呼ばれるようになりましたが。
あとは派遣なんて仕事のできない人がやってると思ってるのか、
「住宅地図をコピーしてファックスできるスキルある人いる?」
なんて質問を受けたこともあり。それ、スキルっていうのか?
派遣っていろんなところに行ってるだけに、あなた達よりもよっぽど
いろんな仕事をしているのですが、何か?
実際、エクセルの操作で悩んでいる社員をいつも助けてるのは
派遣だったりすることは、すぐに忘れちゃうのね・・・。
責任感のある仕事が嫌だという理由の人もいるけれど、
家庭の事情だったり、他にやりたいことがあるから
仕事する時間に制限があったり、人間関係を深くしたくなかったり、
と人それぞれに派遣を選んだ理由はあって、別に仕事ができない
人が派遣になってるわけでもないというのに。
まぁそんなこんなで、廊下とかですれ違うときに、
「おつかれさまです」
と声をかけても、基本的には黙視。かすかに頭をさげることは
あっても、なぜか派遣にたいして声は出さない社員のみなさん。
これ、相手が派遣だけではなく、たとえば警備のおじさんや
掃除のおばさんにも、思いきり上から目線。
せっまい廊下をすれ違うときには道をよけるわけでもなく、
むしろぶつかってでも自分はまっすぐ歩く。そんな人たち。
あたしは喫煙者なのですが、そんな人たちに囲まれて吸うのも
ちっともリラックスできないので、1番すいている喫煙所に
通っているのですが、そこは警備の方や掃除の方も集うところ。
もちろん顔見知りなので、あいさつどころか世間話に毎日
花を咲かせているのですが、たまに社員がやってきても
やっぱり挨拶は無視されており。
が。先日あたしの部署に派遣されてきたばかりのRちゃん、28歳。
背がとっても小さいのと、ギャル寄りのメイクに童顔が加わり、
23歳くらいにしか見えないロリキャラ。このRちゃんも
喫煙者なので、同じ喫煙所を利用しているのですが。
「なんかすっごい怖かったんですけど・・・」
喫煙所からフロアに戻ってきた瞬間、小さい体をいっそう
小さくしておびえている、Rちゃん。
聞くと。
ひとりタバコを吸っていると、たまたま入ってきた男性社員に、
「最近5階に入ってきた方ですよね?」
から始まり、唐突に自己紹介、年齢やら趣味、
なぜか自分の夢までとうとうと語り始めた、25歳男子。
「あたしの反応とかまったく見ずに、一方的にすごいテンションで
しゃべり通してて・・・かなり怖かったです」
Rちゃんよ、それは・・・ナンパだ!!
しかも入社1週間で、すでに社内ナンパかよ!
挨拶しても無視するなんて、非常識な人たちだわ!
と日々いきり立っていたものの、それってもしかして単純に、
あたしが30代半ばだからなのか?!
(男性社員はほとんどが20代)
という恐ろしい事実の壁にぶちあたってしまった、34歳の秋。
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いや、女として範疇外だったとしても、人として挨拶はしろ!
というのと同時に思ったのは。
あれー、おかしいなー。
ほんのちょっと前までは、そっち側にいた気がするけれど。
取引先にいけば、仕事の話はそっちのけで「合コンしようよ」
ばっかり言われてうっとおしかったことや、社内メールで、
名前も顔も知らない男からお誘いメールがきたりして、
気持ち悪がっていたことや。
ちょっと(いや、実際はだいぶ)そういうことが最近ないなー、
なんて思っているうちに、そんな季節は通り過ぎていたのか。
もちろん若さだけでちやほやされたいとは思わないけれど、
声もかからなきゃ、少しは大人になったはずの中身を
知ってもらうことはできないわけで。いや、でも、
そんな男に相手してもらいたくもないし、ちゃんとした
大人の男ならわかってくれるはず、なんて思いつつ。
これ以上何を言っても、20代女子から見たらただの
僻みにしか聞こえない気もするので、今日も喫煙所では
掃除のおばちゃんと「最近野菜高いっすよねー」なんて
世間話に講じるのでありました。