お盆に実家に帰ったときのこと。
毎週見ているドラマ『肩ごしの恋人』をうたた寝して見逃してしまい、
うわーん!と悔しがっていたところ。母親に誰が出てるの?と聞かれ、
米倉涼子と高岡早紀のドラマだよ、と答えたところ。
「あぁ!ジュン君の出てるドラマね!」
ジュン君て誰?と一瞬わからなかったのですが。
59歳母、要潤のファンだそうです。ジュン君て。友達か。
そんなジュン君の出ているドラマ『肩ごしの恋人』ですが、
先々週の回のときですが、職場で翌日このドラマの話になり、
「ドラマってああいうの多いけど、実際あるわけないじゃんねー」
と、同僚達がブーイングを出したシーン。
・・・あたしこれ経験者なんですが。ということがありました。
それは、セクハラ上司のシーン。
ドラマを見てない方に説明させていただくと、30歳にして
仕事を辞めた萌(米倉)。8年も働いていたのに何のスキルも
身についておらず、派遣に登録するも、ろくな仕事を紹介して
もらえず、小さな会社に入っては喧嘩して辞めたり。
が、ひさびさにかっちょいいオフィスビルでの仕事が決まり、
初出社日に上司に「歓迎会がある」と言われ、ウキウキでお店に
行くと、いるのはその上司のみ。考え方ひとつで社員にしてあげる
と、肩を抱いてくる上司・・・。
14年前の梅雨。
就職氷河期1年生、しかも短大。
バリバリ働く気もまったくなく、とにかくどっかで数年働いて
嫁に行くということを心のそこから信じていたおバカな学生だった
あたしは、ある企業から内定をもらった瞬間、他の就職活動は
一切やめるという、ある意味潔い子だったのですが。
人事課長から、内定者の顔合わせがあるということで
六本木に呼び出され、ドキドキして向かったところ、いるのは課長のみ。
えーっと。たしか同期は200人くらいいるはずなのに。
あ、あれか、あとで合流するとか?
昔から変にポジティブだったことに加え、他の就職活動は
辞めてしまっただけに、へたなこと言いたくないというこずるさ、
そして当時は思ったことをちゃんと口にできない性格だったため、
何も突っ込めず、気づかないフリして課長の後についてゆく。
六本木にある上司の行きつけらしいダイニングバーで食事。
内定者の「な」の字も会話に出てこず、しかも仕事の話もせず、
楽しそうに飲みまくる人事課長。やばいかも、と思いつつ
変な方向に話が流れないよう、バイトの話なんかして場を盛り上げる。
とりあえず適当な時間に、門限があるので帰ります、と
脱出を図るも、じゃぁ駅までとタクシーに押し込まれ、
到着したのは駅ではなく、なぜか銀座の高級クラブ街。
か、帰りたい・・・と思いつつ、ここなら女の人だらけだから、
心配はないかも、という安心感と、銀座の高級クラブという
見たことのない世界への好奇心もあって、ついつられて入店。
着物やドレスを着たお姉さま方に囲まれ、緊張しつつも
ついうっかり楽しんでしまうあたし。だって初めてだし!
なんかみんなすげぇキレイなんだもん!小娘にもやさしいし!
と、キョロキョロしていると、膝に誰かの手が。
!!な、何コレ!!
あまりに唐突でびっくりしてかたまっていると、
「もう○○さんたら!あたしの方がいいでしょ?」
課長の手をあたしの膝から離して自分の膝へ。
もうこんなとこにはいられない。
そもそも他の内定者はどこよ?200人全員とマンツーマンで
飲む気か!しかもあたし未成年だし!(19歳でした)
「もう本当に帰ります」
「大丈夫、大丈夫だって」
「いや、終電も早いんで(てか、何が大丈夫なんだ!)」
「うちの奥さん看護婦なんだけど、今日当直でいないし」
「・・・(だからそれがどうした!)」
今だったら罵倒して、米倉さんのようにケリ入れるのに、
想像もしていなかった展開に小娘びっくり、言葉を失い。
何も言えず半泣きでかたまっていると・・・。
「ねぇ、○○さんに見せたいものがあるのよ~」
課長を連れて店の奥にいくママ。
そのすきに、あたしの手首をひっつかみ、店から連れ出すお店のお姉さん。
「あの人、こうして部下の女の子や内定者の子に手を出すの。
ちゃんとうまく逃げなきゃだめよ。嫌なことは嫌って言わなきゃ。
いつも誰かが助けてくれるわけじゃないのよ。駅までの道わかる?」
えーん、えーん。
昼の銀座はよく来るけれど、夜の銀座は何だか怖い。
すっかり気が動転して、どっちが新橋でどっちが有楽町だかわからない。
頭をくるんくるんに巻いてドレスを着たお姉さんと、リクルートスーツを
着た小娘は、並んで新橋駅まで歩いたのでした。
その後もいろいろとあったのですが、長くなるので省略。
最終的には、数ヵ月後にすべてを進路課の先生にぶちまけ、
先生が会社に乗り込み、人事部長と取締役だか何だかが、
菓子折りを持って実家にあやまりにきたのでした。
人事課長は社内でのセクハラが数年前から問題になっていて、
夏にクビになったこと。とはいえ、ちゃんと過程をふんで内定と
なったのだから、安心して入社してほしいこと。
そして何よりも、会社を訴えないでほしいこと。
「問題になっていたのに人事課長として採用に関わらせておいて、
会社を訴えるなだなんていう会社、もうその人がいないとはいえ、
絶対に行きません!!」
それが、あたしが思ったことを言えるようになった、最初の一言。
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あんなのドラマの中だけだよねー、なんていうこと、実際は
日常によくあることでもあるんですよね。だからこそドラマのシーンにも
なるのだろうし。このネタはその後の就職活動や転職活動、
はたまた合コンなどで笑いをとるのに、十分に活用させていただきました。
女が少しずつ強くなってきてるのは、男がそうさせてきたんだよ。
強くならなくちゃやってられないんだもの、社会って。
それをあたしに教えてくれたのは、あのときの銀座のクラブのお姉さん。
おかげでその後の社会人生活、ソフトなセクハラは多数ありましたが、
ハードなお誘いはなくなりました。たぶんはっきり嫌!と言えそうな
キャラになったから。キャラってか、本当に言うし。
おっさんだってバカじゃないから、騒ぎそうな女には手は出さないはず。
後日談ですが、当然ですが激昂したうちの父親。
人事部長に頼み込み、その元人事課長を呼び出してもらい。
新橋のSL広場のど真ん中で、思いっきり顔をぶん殴ってきたそうです。
あたしには内緒にしろ、と言われた母親から聞いたのですが。
お父さん、あなたが父親でよかったです。
コメント (20)
はじめまして。勇気を出して初コメントさせていただきます。だってだって、おとうさまが本当に素敵なんだもの!私もその時は人に言えなかったセクハラ話、もはや呑みネタです。そうやって働くジョシは強くなっていくんですよね。ああ…。
それにしても、このブログ、実は相当好きでだいぶ前から通っておりました。いつも楽しませていただいています、ありがとうございます。
投稿者: hh-edge | 2007年08月27日 22:59
日時: 2007年08月27日 22:59
こんばんは。
途中、人事課長を殴りたくて仕方なかったのですが、お父様があまりにもステキな締めくくりをしてくださったので感激しました!
投稿者: 涼 | 2007年08月28日 00:32
日時: 2007年08月28日 00:32
初めまして。
いつも更新を心待ちにして、楽しく読ませてもらっています。
お父様があまりにもカッコいいので、私も勇気を出してコメントさせて頂きました。
本当に素敵なお父様ですね。
・・・ちなみに私の母も要潤、相当好きです。
投稿者: azutarou | 2007年08月28日 11:25
日時: 2007年08月28日 11:25
わかります。
社会に出ると色んな男からのセクハラで「強く」ならざるを得ませんよね…。私は同僚から、クライアントから、外注さんから…(泣)。
クライアントはきつい。手をにぎられても、耳元でエロいこと言われても
上手にかわさないと仕事なくなるし。
しかも会社を出て、
電車にのれば痴漢にあうし…。
まあ、30過ぎたらいずれもピタッとなくなりましたが(笑)
男ってどうしようもないですよね…。
投稿者: mika | 2007年08月28日 15:18
日時: 2007年08月28日 15:18
やっぱり、ステキなパパだよぅ(T-T*)ジーン・・・。
つねづね思うのです。
「女のクセに」「女なんだから」と
先制攻撃しときゃ黙ってるだろうなんて
セコイ考えする男が多かったから。
女も我慢の限界をこえたのだ、と。
自分を守れるのは自分だけなんだ、と。
ちなみに。
コレで思い出したネタがあった。
ありがとう、saredoサンw
以前いた会社の飲み会で泥酔したI常務
日本人形のようにオシトヤカ(そうに見える)なTチャンを
後ろから羽交い絞めして抱きついた瞬間
投稿者: daizu | 2007年08月28日 16:48
日時: 2007年08月28日 16:48
こんばんゎ、お久しぶりです。
覚えてらっしゃるでしょぅか?
お父様はホントにステキですね!!
こっそり、教えてくれるお母様も。
私はまだ学生でセクハラを経験した事はありません。
(痴漢には何度かあいましたが。。。)
私も社会に出てこういうことがあるのかしら?
そういう時父親がどういう行動を取るのかちょっと想像出来ません。
saredoさんのお父様みたいだと嬉しいです。
投稿者: みぃ | 2007年08月29日 03:25
日時: 2007年08月29日 03:25
久しぶりですがいつも読んでますよ~
saredoさんのお話はいつも落としどころが巧くて感心させられます。
今回は銀座のクラブのお姉さんとお父様の二段仕立てでしたね^^
私もありますー、OL時代にアホ上司から「俺の女になれ~」ってやつ。
自分の入社歓迎会で二次会から二人きりになるように連れ出されて口説かれましたw
ええ、笑って逃げ出しましたが(笑)
その後も数年仕えましたが、最後まで諦めない人でしたね・・・
今でも権力を持って女性を言いなりに出来るなんて、過去の幻想を持ってる男性がいるんですかね~
そんなのとっくの昔に廃れてしまったというのに。
仰るとおり。
女性が強くなったのは、男性に責任があるんだよ。
分かってんのかな~(笑)
投稿者: らみ | 2007年08月29日 18:27
日時: 2007年08月29日 18:27
ドラマよりドラマチック。
ジーンとくるものがありますね。
いつものことながら、いいもの読ませていただきましたわ。
投稿者: spacedrive | 2007年08月31日 11:38
日時: 2007年08月31日 11:38
う、う、う、泣きそうになりましたよ。
銀座のママさん&おねえさんやさしい~!
がっこの先生、乗り込んでくれたんだ~、世の中捨てたもんじゃない!
最後はお父様。
そんな会社、どんだけでかくても行かないて正解でしたね。
最近、派遣先で、隣のチームの女の子たちが約一名のばかおやじにタッチされまくっていることが判明。イライラがつのってます、、、。
投稿者: とおりすがり | 2007年09月02日 14:54
日時: 2007年09月02日 14:54
お久しぶりです。
私もうら若き乙女の頃に同じ経験が!
何故か課長と二人でクラブへ。そこでセクハラされました。
でも、クラブのママが課長がトイレに行った隙に「今が逃げるチャンスよ」とタクシーを呼んで逃してくれました。
ママの優しさに泣けた夜でした。
投稿者: ぽぽ | 2007年09月06日 11:05
日時: 2007年09月06日 11:05
■hh-edgeさま
はじめまして!コメレス遅くてごめんなさい。
そう、直後はつらくても、あとで呑みネタになる!
っていうかネタにできないようじゃ女子としては
仕事していけませんもんね!
・・・おまけにつけた父親がまたしても
みなさんの印象に残ってしまった(笑)
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:07
日時: 2007年10月23日 11:07
■涼さま
あたしもしばらくは「自分で殴りたい!」って
思ってました。今となってはもうどうでもいいですが。
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:08
日時: 2007年10月23日 11:08
■azutarouさま
はじめまして!コメレス遅くてごめんなさい。
いやいや、素敵なんかじゃないですよ。
ってかおまけなのに!キャラ目立たせすぎた!
でもそのおかげでコメントしてくださったのですね。
ありがとうございます。
母親の世代に強いのだろうか・・・潤。
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:10
日時: 2007年10月23日 11:10
■mikaさま
そう、クライアントはきついですよねー。
かと思えば味方のはずの同僚も!
そして電車に乗れば痴漢!踏んだりけったり!
あたしも30代になった瞬間、まったくもって
痴漢にあわなくなりました。なんで?
どっかに「三十路」って書いてある?
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:12
日時: 2007年10月23日 11:12
■daizuさま
いやいや、父親はおまけだから!なぜにこんなに
主役級にみんなから認知されちゃった?
ほんと「女なんだから」と進出を阻まれ、
それでもがんばって成功すると「女のくせに」。
同じように働いてんだから、黙ってられるかっての!
自分を守るのは自分、ですよねー。
思い出したネタが途中で切れていて、すっごく
気になって笑えました。その後ブログで読んだけど(笑)
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:16
日時: 2007年10月23日 11:16
■みぃさま
わーん!今回主役あたしなのに!
お父さんのバカー!
あ、まだ学生さんなのですね?まぁふつうは
こうして家にあやまりにくるほどの大事には
いたらないと思いますが、いろいろあると思います。
最初はびっくりして自分が悪いのかと思ってしまったり
するかもしれませんが、立場や権威をふりかざして
ちょっかい出してくる男が100%悪いので、
がんばって自分を守ってくださいね。
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:24
日時: 2007年10月23日 11:24
■らみさま
なんかオチがない話ってダメなんですよねー。
ふだんの会話も、ついオチを求めてしまいます(笑)
上司もいましたねー、あまりにしつこかった人には、
そのまた上の上司に「困ってるんですー」と
軽くチクり、おとなしくさせました。
ほんと女が強くならざるをえないっての!
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:28
日時: 2007年10月23日 11:28
■spacedriveさま
実際ドラマみたいなことって、思ってるよりも
いっぱいあるんでしょうねー。
どうせなら素敵なドラマティックなことがいいけど(笑)
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:30
日時: 2007年10月23日 11:30
■とおりすがりさま
学校の先生、進路課のおじいちゃんなんですが、
すっごい怒ってあたしの目の前で人事部長に
電話して、すぐに乗り込んでくれたんですよ!
あのクラブ、動揺していて店名も見てないのですが、
本当にみなさんに感謝しています。
あぁ・・・結局昔と違って女が強くなったぶん、
社員には手を出しづらくてそのはけ口が
派遣に向かうんでしょうね。自分が派遣なだけに、
すごくわかるなー。誰か文句言えばいいのに。
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:36
日時: 2007年10月23日 11:36
■ぽぽさま
わぁ!すごい!同じ経験ですね!
クラブのママ、優しいですよね。あたしも泣けました。
投稿者: saredo | 2007年10月23日 11:37
日時: 2007年10月23日 11:37