
by saredo
あ!そういえばこの服、1回も着なかった!
う・・・これ、値札もついたままだし。
結局こればっかり着ちゃったよなぁ、また。
反省会かのように、長袖の服をしまいながら。
ふと目に入った、白いワンピース。
すごく、すごく暑かったのに。
ちっとも不快じゃなくて、ふたり笑いころげている。
あの風の香りや、暑い陽射しなんかが、
音もなく、ぱーっと胸に広がってくる。
虫の鳴き声や、風が揺るがす葉っぱのこすれる音や、
ふたりの笑い声が、あんなにあふれていたはずなのに。
思い出は、なぜかいつも、無音で。
なのに、胸にせまる香りは、圧倒的でさえいて、
衣がえの手を、止めさせてしまう。
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